八丁味噌の効用

胃潰瘍・胃ガン

味噌の効用

昭和50年代以降にはマスコミによって、味噌には胃ガンに対する効果がある、という説がたびたび登場するようになりました。味噌の食用的効用を調査した結果、味噌汁を飲む人は胃潰瘍にかかる確率が低く、味噌にはがんの原因のひとつである体内の突然変異物質の作用を弱める働きがあるということです。

チェルノブイリ原発事故

昭和61年4月、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故が起きました。西ヨーロッパ諸国では「味噌は放射能障害に効果がある」という説が広まり、原発事故以降に味噌の輸出量が一気に増えたとのことです。 原発事故の起きた後、ヨーロッパでは長崎原爆レポート「ナガサキ・1945」という本が売切れになったと言われており、この本は秋月辰一郎氏の著作が現地語に翻訳されたもので、それを読んだ人たちが味噌を買いに走ったことによるものです。

ザ・ブック・オブ・ミソ

「ザ・ブック・オブ・ミソ」は、アメリカ合衆国に味噌ブームを巻き起こした画期的著作で、著者はウイリアム・シャートレフ氏、イラストはアキコ・アオヤギ氏によるものです。二人は昭和46年から一緒に東アジアの伝統的食品を西欧に紹介する仕事に携わり、「ザ・ブック・オブ・トウフ」、「ザ・ブック・オブ・シーベジタブルズ」などを著しています。「ザ・ブック・オブ・ミソ」は昭和51年6月に発刊され、大豆、タンパク質、発酵の驚異といったことから、味噌の調理方法に至るまで解説がなされています。アメリカでこの本が注目を集めたのは、アメリカ人の食生活がしばしば高血圧や心臓病などを引き起こすのに対し、味噌など大豆食品ではそうした問題がないという点にあったようです。